【人権】 04.6.1知事所信表明に対する生活者ネットの見解

2004年6月2日 15時49分 | カテゴリー: ◇活動報告

ジェンダーフリーへの正しい認識を深められることを求めます

知事所信表明に対する見解            2004年6月1日
都議会生活者ネットワーク 幹事長 大西由紀子

 本日、平成16年第二回都議会定例会の開催にあたり、知事の所信表明が行なわれました。
所信表明の中で「ジェンダーフリーへの対応」として述べられた内容について、都議会生活者ネットワークは、失望するとともに、大きな危惧を抱きました。
 知事は、「男女の違いを無理矢理 無視しようとするジェンダーフリー論の跋扈」として、歪んだジェンダー論を展開されているように見受けられます。ジェンダーフリーとは、「性別をなくす」ことではありません。「社会的・文化的性差に対する偏見(ジェンダーバイアス)から解放されること」がジェンダーフリーの基本的な意味です。男女の性に対する偏見や先入観を取り除こうとするあたりまえの考え方です。
 男女共同参画社会基本法の制定後、東京都は他の自治体に先駆け、「東京都男女平等参画基本条例」を制定し、平成12年から施行されています。法律や条例を確かめるまでもなく、男女共同参画社会は、「生物学的な違い」には十分配慮しながら、これまで通用してきたジェンダーすなわち「文化的・社会的につくられた性差」というものを見直していこうとするものです。「文化的・社会的につくられた」男女の違いよりも、もっと多様な生き方があるにもかかわらず、この男女の区分によって、自分らしい生き方を制限されてしまうことが問題なのです。
 2000年の「世界人口白書」では、ジェンダーに基づく不平等は、「個人の成長を抑圧し、国家の発展や社会の進化を妨げ、男女双方に不利益をもたらしている」と述べています。今、次世代育成支援対策推進法が成立し、女性も男性もともに、家庭生活や育児、職業自立も図れるような両立支援策が求められています。
 今回の知事発言は、歪められたジェンダーフリー論にすべてを集約させてしまい、男女がともに自分らしい生き方を発揮できる社会づくりを阻害するばかりか、さらなる制度間格差や性による間接差別を助長させることになります。今回の知事発言は、誠に不適切であると指摘し、ジェンダーフリーへの正しい認識を深められることを強く求めるものです。 (人権・平和部会)