偉大なり佐須用水!たった5メートルの差で、汚い水が…

 3月23日、「身近な川を見守る会」が行う野川の水生生物調査に参加しました。水生生物調査とは、川の石ころの下に潜むごく小さな(1ミリから2センチぐらい)生物を調べることで、その地点の水がきれいか汚いかを判断するものです。

 調査場所は、佐須町の細田橋の下、国分寺崖線(深大寺や柴崎、緑ヶ丘などを結ぶ崖・段丘)の湧水が流れる佐須用水が流れ込む地点です。

 佐須用水の水が音を立てて流れ込む地点で採集できたのは、ブユの幼虫、カワゲラ、シロタニガワカゲロウ、ヒラタカゲロウなどきれいな水の中でしか生きられない生き物が多数。もちろん、ヒルやミズムシなど汚い水の指標となっている生物もいますが、採集した数は前者の方が圧倒的に多かった…。大きなドジョウも。 というわけで、東京都が作成した水の判定表から、この地点の水は「きれい」という結果でした。

 川岸においたパレットに採集した生物をのせて観察していると、3人の男の子と2人のママが通りかかりました。ドジョウを飼っているので水に棲む生物に興味があると、パレットの上の小さな生き物を拡大鏡を通して覗き込んでくれました。秋にまた同じ調査を行なうことを伝えたら参加したいとのことでした。良かった!

 その後、佐須用水が流れ込む場所のちょっと上流でも、採集を行ないました。なんと、そこで見つかったのはヒルやミズムシ、イトミミズなど汚い水の指標となる生物がほとんど。きれいな水に棲む生物はシロタニガワカゲロウが2匹だけ。ニンギョウトビケラの幼虫も石に張り付いていましたが、判定は「汚い水」。たった5メートルの違いなのに、佐須用水の水で、「汚い水」が「きれいな水」に変わったということですよね!すごいと思いませんか?