「調布市節電基本方針」の本気度は?

公共施設の自動販売機の停止に消極的答弁

 街中で3歩も歩けば必ず目に入る自動販売機。節電が喫緊の課題(議会でよく使われる言葉ですが、今年の夏の節電ほどぴったりする課題はなかったかも)になっている今、ここにメスを入れたら?という声は当然です。

自動販売機大国日本
外国によく行く人の話では、日本ほど(多分都市部ですが)自動販売機が数多くある国はないそうです。自動販売機は中の飲み物がほとんどペットボトル入りで、ごみの問題からもネットは自動販売機には反対して来ました。もちろんあの大きさですから電気使用量もかなりなものです。さすがに、自販機には「33%節電します!」とか書いてありますが、そもそもこんなにたくさん必要なの?という話です。
ほとんど閉まる時間のないコンビニの前にも自販機がどうどうと置いてあります。

調布市の自販機は もう十年以上前に、調布市には何台自動販売機があるのか、1台ずつ調べたことがあります。
まさに人海戦術で1台1台確認しながらの調査だったと思いますが、その時の結果は、東京全体の平均の半分ほどだったと記憶しています。
 それからも増え続けてきたと考えられますが、調布市はこの6月14日に「調布市節電基本方針」を定め、その中で「自動販売機については運転中止などを事業者に要請していく」としています。ところが・・・
ちなみに、近くの自販機には、定格電圧100ボルトで487ワットと記載してありました。お宅の冷蔵庫は何ワットですか?

せめて公共施設では止めて
生活者ネットワークは、この方針をみて当然公共施設内の自動販売機は節電のために停止するものだと考え、議会質問(一般質問)で確認しました。
 答えは驚いたことに、「公共施設の自販機は社会福祉協議会の貴重な財源になっているから難しい問題だ」というものだったのです。
 こういう論理がまかり通るなら、事業者が自販機の停止に応じるはずはありません。事業者から「自販機の売上げの一部を寄付します」と言われたら、要請などできなくなります。

環境教育の場でも自販機?
 昨年開館した「調布自然情報館」に自動販売機があるのを見つけた市民が、撤去すべきでは?と指摘したところ、「付近には水を買えるような店もなく、利用者に大変喜ばれているし、地球環境保全基金の財源でもあるので停止は無理」という返事が環境部から来たそうです。
 その人は「環境教育を行う場なのに。水道の水でもじゅうぶんだし、いやなら家からごみにならないマイポット持参を呼びかければいい。むしろそういうことを伝える環境教育の場のはず」と環境部に申し入れたといいます。 環境教育の場だからこその配慮は必要だと思います。

 調布市は、京都議定書を受けて2000年にはISO14001を取得し、CO2削減に全庁をあげて取り組み始めました。市庁舎とたづくりとクリーンセンターだけが対象ではありましたが当然節電目標もあり、毎年確実に前年比30%ずつ減らしていました。その中でなぜか自動販売機だけは、増設されてきたのです。4階の市議会ロビーと庁舎2階の入り口のそばです。
 こんなことでは、足元を見られてせっかく定めた節電方針も全市に周知、実行することはできないのではないかととても心配です。必死で節電策を考えている事業所や市民の気持ちを逆なでし、市の本気度を疑わせる結果になると思います。