おしゃべりカフェを開催しました

 

棚木先生と二宮ようこ

  「 テーマを絞って情報を共有し、みんなで話しあう場を」と始まった、おしゃべりカフェも4回目を迎えました。

 今回は、調布市内で助産院を開業している棚木めぐみさんを講師に、「すこやかな妊娠と安産、楽しい子育てはつながっている」というテーマで、助産師さんとして産前産後のお母さんや赤ちゃんの健康に関わっている立場から感じていることを話していただきました。

 現在は、出産するお母さんの年令が上がってきている事もあって、実家には頼り難く、産褥入院(出産後の入院)を希望する人が増えてきているそうです。

 また、アメリカで普及している無痛分娩が日本でも流行ってきていて、現在病院で出産する人の2割が無痛分娩です(ちなみに3割が帝王切開)。しかし、棚木さんは、お産に流行りすたりがあるのはおかしいし、無痛分娩のリスクをしっかり知ったうえで選ぶべきと警鐘を鳴らしています。 

 人はハグされる時に、オキシトシンというホルモンが分泌され、落ち着き、幸せを感じますが、赤ちゃんはまさに産まれ出ようと狭い産道を通ってくる時に、この愛情ホルモンがたくさん出ます。また、お母さんにも、β(ベータ)エンドルフィンという、出産の痛みを和らげる作用がある、いわば脳内麻薬が出てきます。昔から「障子の桟が見えなくなった頃が産み時」と言われているのが、このことです。

 実は出産時には、赤ちゃんもお母さんも幸せな気持ちになって、苦痛が和らぐような作用が身体に組み込まれているというお話に、神秘を感じました。

 こうした自然な分娩と違い、無痛分娩は麻酔を使うので、それはもちろん赤ちゃんにも影響するし、麻酔の効き方よってはいきめないために吸引になってしまう場合もあります。こんなリスクを知らされることなく、「痛くない」ことだけが先行してしまっているので、若い世代や妊娠を考えている人たちへの周知を進めていくことが大事だと思いました。

 また、出産前診断についても、集まった方がたから賛否の声が出されましたが、どんな障がいを持った子が生まれてきても、支えていける社会にしていかなければという共通の思いが確認されました。

 少子化対策、1億総活躍社会として、女性の労働と出産が期待されていますが、保育の枠の拡大や保育時間の延長しか考えられていない感があります。

 しかし、オランダのように子育て中は、父親も母親も働く時間を短くすることが選択できて一緒に子育てできたり、出産のリスクが高くなる高齢出産ではなく、健康な若いうちに出産しても女性もキャリアを積むことができる国もあります。他にも、雇用が継続できる働き方の保障、核家族化の中で子育てする両親の心配や困りごとに産前産後を通して寄り添う支援など、まだまだ変えていかなければならないことはたくさんあります。どうぞ、みなさんの声もお寄せください。