<記事内容をご紹介します>
高齢夫婦だけの家庭、一人暮らしや日中は一人になってしまう高齢者、いざというときにも親世代に頼れない育児家庭…。以前のような「ご近所の助け合い」が期待できなくなった今、子育ても介護も社会の仕事として地域で支えるしくみを作っていくことが必要です。
◆老後の安心を任せられる介護保険に
高齢生活を支えてくれるはずだった介護保険ですが、改正の度に利用を制限する方向へと変えられてきました。最近は、介護度の重い人だけにサービスを集中しようという議論の流れになっています。
家族と同居している高齢者の生活援助は事実上打ち切られています。同居家族と言っても、80歳以上の配偶者や仕事で帰宅の遅い家族であれば、現実に家事はできないこともあります。介護保険制度発足以前から高齢者の自立支援をしてきた市民団体では、「ヘルパーと一緒に家事をしたり外出したりすることで高齢者の元気が保てるのに」と残念がります。「デイサービスだけでは、仕事と介護の両立は困難」という介護者の声も届いています。
「一定の条件の下では認められる場合もある」と行政は言いますが、その判断があいまいでは、ケアプランを作成する事業者はサービスを抑制してしまいます。
また、現在の介護保険制度には、介護する家族への支援が無いことも問題です。
介護保険に市民が期待したのは、安心して自分らしく生きられる老後生活です。生活者ネットワークは、今後も高齢者や介護する家族の立場から政策を提案していきます。
◆保育園と地域の子育て拠点を増やす
調布市は、保育園待機児解消を目指し、認可保育園や認証保育園所のほか保育ママ制度も使って、施設の整備をしてきました。しかし、計画通り整備をしてもさらに待機児が増えるという状況が続いています。
現在は男性の雇用も不安定な中、家計を支えるために働きたい女性も増えています。男性も女性も働いてともに育児を担う男女共同参画社会では、子どもが家庭以外の場所で育つ環境を整えることは当然のことです。
問題は、保育園の入所要件が「保育に欠けるこども」に限定されていることです。本来は希望する親子がいつでも利用できる施設整備が国も含めた行政の仕事です。その実現を要望してきています。
一方、家庭での育児に必要なのは母親ひとりに育児の負担をかけないことです。一時保育や個別の育児支援のほか、地域の中に気軽に親子で過ごせる、ほっとできる場が必要です。「そこには、同じ子育てママや人生の先輩がいて、不安や心配に「大丈夫よ」と声をかけ、話を聞いてくれる。そんな子育て中の親子や、高齢者など世代を超えて集える「ほっとスポット」を地域につくるよう、生活者ネットワークは提案していきます。