共謀罪施行後の社会とは?
質問と答弁が食い違ったままの衆議院委員会で、またもや強行採決された「共謀罪」。生活者ネットワークは、もちろん市民も監視の対象になる危険性をはらむこの法案に対しては反対ですが、一方で共謀罪が施行された後の社会のありようが想像できないという方も多いのではないでしょうか。
5月25日の文部科学省の元事務次官が記者会見を行った翌日、登庁途上の文部科学省の職員が報道陣の質問を避けて、下を向いて足早に立ち去る光景に「こうなるのね」と感じました。
真偽のほどはともかく、「私からは何も言えない」「私は関係ない」「私には聞かないでくれ」。背中でそう言っているような後ろ姿に、ひょっとして何か知っているかもしれない人も何も言えない、そんな雰囲気を感じました。同じ光景は、数か月前、電通の女性社員が過労自殺した後の電通社員の出社風景でも見られました。
共謀罪が施行されれば社会全体で、何も言わない、友人とも近所の人とも話さない、みんなで楽しく一緒に過ごすのも無し。分断され、孤立した個人の思想・信条にまで踏み込んだ戦前・戦中の歴史が思い出されてきます。