地下水保全条例を調布にもつくろう!〜その2〜

ネット連続講座第1回・・小金井市の湧水・地下水保全条例に学ぶ

 調布・生活者ネットワークは、調布のおいしい水道水として利用されている地下水を守るために、「地下水保全条例」の制定を目指しています。7月10日、都内の自治体として初めてこの条例を制定した小金井市の状況について、小金井・生活者ネットワーク市議会議員 小山美香さんに講演していただきました。
 小金井市は、調布と同様、水道水の約7割を地下水で賄っています。市としては、公共施設では合成洗剤ではなく石鹸を使用し、公園の除草剤散布も土壌や地下水を汚染するという理由から行っていません。市民も地下水や湧水に対する意識が高く、雨水を地下に浸透させる雨水浸透ますの設置個数約44,000個は「世界一」です。
こうした市民意識を背景に、小山さんは2001年6月議会に生活者ネットワークの二人の議員提案として「地下水を保全する条例」を提出しました。この提案に対しては、保守系会派から「時期尚早」等の反対意見も出たのですが、さまざまな交渉、意見交換を経て、最終的には全会一致で「小金井市の地下水及び湧水を保全する条例」の制定が実現しました。
小山さんは、条例のポイントの解説と制定過程で議論になった点などを詳しく説明してくださいましたが、特に「水循環」ということをはっきり打ち出したこと、条例の目的を「飲料水の確保」と「地下水・湧水の保全回復」という2点に明確にしたこと、大口地下水利用者や地下水影響工事など課題を差別化したこと、専門家会議である地下水保全会議を設置したことなどが重要だと感じました。また、議論する過程で地下水に対する意識が高まるということも感じられ、多くの議論がいい条例を作るのだと再確認できた学習会でした。
講演のあと、会場からは「地下水保全の問題点が整理されたいい条例である」
「調布で提案するときにはやはり議員提案という形で出すのか」などの質問や感想が出されました。(レポート:八木あきこ)
 
第2回「調布にも地下水保全条例をつくろう」
とき:7月29日。/テーマ・・調布の地下水保全条例制定に向けて調布市の方針や状況について。  →(実施済み)