1770年代から市営水道が次々に都営水道に一元化されてきましたが、東京都はいまだに地下水を世紀水源として認めておらず、わたしたち都民・市民は、だまっていても安全でおいしい水道水を飲む権利が今後も保障されるとは限らないことを知っておく必要があります。
この8月調布市あくろすホールにおいて、多摩の地下水を守る会の主催(調布市後援)で、地下水シンポジュウムが開催されました。
地元調布市でも1988年に調布の地下水を守る会が中心となった「安全で美味しい地下水」を守るための請願」活動により、調布市議会で趣旨採択されたこともあり、調布市では「地下水を主体とした水道水」が確保されてきました。
しかし、地下水保全の施策は生活確保条例の一部にしかいちづけられておらず、命と暮らしの源である飲み水や地域水循環の保全にとっては不十分です。
そこで、今回のシンポジュウムでは、東京多摩地域の地下水の流れを解明した研究者の講演を頂き地下水のメカニズム・現状などを正しく理解した上で、「地下水保全条例」をつくり積極的に保全と利用をすすめている秦野市の事例の紹介を頂きました。その後で国分寺・立川・昭島・調布のしみんも交えてディスカッションがおこなわれました。
「地下水は利用するからこそ保全される。」と言う地元調布のパネリストの意見に納得。 また、市民と行政が地下水を守りながら保全・活用していくと言う合意形成を「地下水保全条例」を作る過程で共有した秦野市の事例は、大いに調布市でも参考にしていくべきであると確信しました。
<報告>:調布生活者ネット・環境部会 江刺益子(調布の地下水を守る会前代表)