問題山積の中での教育長の交代
9月に行われた第三定例会最終日、新教育長の選任議案が提出されました。海東教育長が9月末日付けでの辞意を表明されたからです。
辞任の直接の要因は、杉森小学校でまたしても給食でアレルギー事故を起こしてしまったことです。食物アレルギーのある生徒に間違ってアレルゲンを含んだ給食を提供してしまったというミスでした。幸い生徒にアレルギー症状は出ず、被害は無かったのですが公表されました。
昨年の食物アレルギーによる死亡事故以来、調布市と教育委員会はその問題に向き合ってきました。8月には事故の検証委員会から「検証結果報告書」も出され、これから出直しという時期に、先頭に立って実践していくはずの教育行政のトップの交代には不安もあります。
数年前から続いていた小学校教師によるいじめ問題も発覚しました。海東教育長は東京都教育委員会との協議のほか、学校に出向いて実態を聴きとり、当該教員の指導にも直接あたるなど、誠意を持って対応されていたと認識しています。半年以上に及ぶ激務で健康状態を害されていたことも辞意の理由かもしれませんが、今後のことを考えると、調布の子どもたちにとっても残念な決断だと思います。
ドゥマンジュ議員も9月議会で教育委員会をはじめとする教育行政の改革の必要性を主張する一般質問を行いました。その様々な提案を受け止めていただいた教育長の下でこそ改革を実現できるものと考えていただけに、無念な思いです。
新たに選任された新教育長は、市職員出身で教育者ではありません。この困難な時期に、責任ある立場に着かれたからには、ドゥマンジュ議員が質問の中で指摘したように、学校現場に出向いて現場の声、それも経営する側だけでなく、教員一人ひとりの声に耳を傾けていくことから教育長としての仕事を始めることを期待しています。