通信145号発行しました

活動レポート145号 1ページ

第二回定例会一般質問

ひとり親支援の拡充を

日本のひとり親家庭9割以上が母子家庭です。子どもがいる現役世代の相対的貧困率は、大人が1人の場合は44.5%。その中でも父子世帯の平均年間収入が518万円であるのに対し、母子世帯は272万円です。日本社会のジェンダー構造の中で、未来ある子どもたちを育てながら日々奮闘するひとり親への支援は、社会が担うべき子どもの育ち支援としても重要です。ひとり親の多くがコロナ禍の減収や物価高騰の影響で厳しい生活を強いられています。調布市ひとり親家庭等アンケートの結果からは、「親の食事回数や量を減らしたことがある」34%(260人)、「子どもの食事回数や量を減らしたことがある」7%(53人)など、衣食住にも事欠く厳しい状況がうかがわれます。市がこういった状況を認識しているならば、単発的な給付金だけでなく継続的な支援の拡充が必要です。

養育費を確保するために

離婚前の養育費取り決めの際公正証書で契約しておくと、未払いに対して裁判を起こさず、支払い義務者の財産差押さえの強制執行手続きができます。市では作成費用を補助していますが、知らない方も多いため広く周知が必要です。また公正証書を活用し、より確実に養育費を確保するためにも、明石市が取り組む養育費の未払いに対する立替えや代理取立ての導入も引き続き求めていきます。

 

家賃補助の導入を

家賃は恒久的にかかる大きな支出の一つです。公営住宅への入居がしやすくなっている現状もあるようですが、民間の賃貸住宅入居者を含め、より幅広い住居支援を今後も求めていきます。

子どもが不登校のひとり親への支援を

4月から調布市でも公立小中学校の給食費が無償化されましたが、子どもが不登校の場合は家庭で昼食を用意します。経済的な負担が生じていることへの認識は答弁されましたが、市独自の支援への前向きな答弁は得られませんでした。引き続き給食費相当分の給付を求めていきます。

多忙なひとり親に情報を届けるために

ひとり親の忙しい日常の中でも情報を届け、エンパワーできるよう、LINEを用いたひとり親に特化した情報発信を求めました。必要とする人に届きやすい情報発信に努めるとの答弁でしたので、ひとり親情報に特化したLINEオフィシャルアカウントなど支援策の展開を求めていきます。

人と自然が共生するまちへ

生物多様性保全で環境にやさしい農業を

水や緑に恵まれた調布市でも、温暖化や外来種などの影響で生態系に変化が起きています。川や樹林地といった自然環境はもちろんのこと、新たに緑地として保全対象となった農地においても生物多様性保全が求められています。市は生物多様性地域戦略の策定に向けて準備を進めており、その中では、「農地の保全と生物多様性に配慮した農業の推進」を掲げる東京都の地域戦略を参考にするとのことです。農薬や除草剤の中には生物への深刻な影響が課題となっているものもあるため、使用状況の把握と予防原則に基づいた一定の規制を求めました。実態把握に努めるとともに、環境に配慮した都市農業を研究するとの答弁を得ました。

農業公園を地域の居場所に

農地には防災機能や環境保全機能もありますが、近年、農作業のセラピー効果にも注目が集まっています。深大寺・佐須地域の農業公園でも福祉や教育とも連携することで、障がい者や不登校の子どもたちをはじめ、市民の心の拠り所となるような活用を求めました。農業ボランティア育成や農福連携の検討など幅広い活用に向けて前向きな答弁を得ました。今後の活用が楽しみです。

野川での定点観測では外来種はもちろん、在来種と外来種の交雑種も見られる。温暖化の影響か、低い水温を好む魚が見つかりにくくなっている。

 

活動レポート145号 2ページ

第二回定例会

一般会計補正予算第1号、条例改正6件、契約議案3件、人事案件、陳情2件、議員提出議案5件などを審査した。人事案件では教育委員会委員などの任命に加え、新副市長の選任があった。

上程時質疑

監理団体は市のパートナーとして、より良い市民サービスの提供や市民福祉の向上のため、行政の代行的、補完的な機能を果たす団体であると定義されている。毎年第二回定例会では、各監理団体の前年度の活動について市長から議会に報告が行われる。各団体は専門性を要する多くの事業を担っているが、理念を示すのは行政の役目であることから、監理状況について質疑した。

共生の充実には障がいの有無を超えたインクルーシブな取組みを

文化コミュニティ振興財団やスポーツ協会は、障がいの有無を超えて舞台を作る活動や障がい者スポーツ事業、障がい者も安心して使える施設整備に取り組んでいる。一方、市がオリパラ開催を機に標榜する「パラハート調布」や総合計画で掲げる「共生の充実」を進めるには、その先にある共生社会のビジョンを市がもっと明確に市民に示すことが必要である。障がいの有無を超えたインクルーシブな取組みを増やすとともに、その実施に至るまでの対話や相互理解のプロセスをもっと市民と共有するよう提案した。

 

ヤングケアラー支援は市の主導でさらなる充実を

ゆうあい福祉公社では介護現場でヤングケアラーの存在を認識していたことから、2023年度にヤングケアラーコーディネーターを設置し、市のヤングケアラー支援の充実に寄与している。コーディネーター設置により市内のヤングケアラーの全体像を把握できるようになったことに加え、これまで主に対応していたすこやかでは18歳までが対象のところ、その後ゆうあいに引き継ぐことで切れ目ない支援体制ができたことが成果として挙げられる。ヤングケアラーはその存在自体が非常に捉えにくいため、まだ手探りのところが多い。市は子どもの権利を広めるとともに、日本語が不自由な外国籍の親をもつ子どもや障がいのある兄弟がいるきょうだい児など幅広いヤングケアラーに支援を広げるため、主体的に連携を広げるべきだ。

一般会計補正予算第1号に賛成

八雲台小学校地域の学童クラブ整備(定員70名)12,916千円

2026年度に開設を予定していたが、2025年度に前倒しされることになった。

 

主な条例改正

深大寺・佐須地域に開設される農業公園2園を都市公園に位置づけるための改正

水道事業の一部が厚労省から所管替えされたことによる改正家庭的保育事業(保育ママさんなど)の職員配置基準の改正(市内には該当なし)

◆意見書

「子ども誰でも通園制度の制度拡充等を求める意見書」に反対

保護者の就労に関わらず子どもを保育園に預けることができる制度は、子どもの健やかな育ちを支える社会の仕組みとして必要だと考える。しかし、待機児童を解消するために保育所設置基準が緩和されてきたことに加え、保育士の処遇改善も不十分である。まずは子どもの権利に基づき子どもの育ちを支える施設に相応しい設置基準の見直しが必要である。不定期な保育所の利用は保育士への負担も大きいことから、拙速な制度拡充は保育の質の低下につながると考え反対した。

◆議会改革

災害時行動マニュアル作成やオンライン会議のあり方について議論を継続しています。より良い議会報告会に向け検討も進めています。引き続きご意見をお寄せください。

◆情報提供

納税者と扶養家族は1人につき4万円(所得税3万円・住民税1万円)が減税されます。納税額が4万円に満たない方は不足額を切り上げ、1万円単位で給付されます。不明な点は、コールセンター(0120-234-173)にお問合せください。

陳情書の提出締め切りが告示日(開会日の1週間前)の正午になります。第三回定例会は告示日8月27日、開会は9月3日です。

 


活動レポート145号 3ページ

インクルーシブな放課後の居場所
~「ゆずのき学童」を見学しました~

調布市富士見町で2020年にスタートしたゆずのき学童は、重度の障がいがある子も利用できるインクルーシブな学童です。40人のうち15人が障がい児枠で、近隣の小学校だけでなく、送迎バスで特別支援学校や市内全域の特別支援学級からも子どもたちが通っています。職員には看護師も2名おり、その子に合わせてマンツーマン対応も行って、毎日約14人で子どもたちを見守ります。

1階は1年生で、広いワンルームの中に、マットの上でゴロゴロできるコーナーやままごとができるコーナー、図書コーナー、作業ができる机、トイレなどがあり、子どもたちは思い思いに自分のやりたいことを楽しんでいました。2年生以上がいる2階では、ちょうどおやつが始まるところでした。その他にも医務室や、おむつ台のある広いトイレやシャワー室、また、一人になって落ち着きたい時のために畳敷のカームダウン室や小さなテント、おこもりできる感じの落ち着く図書室もあり、色々な特性のある子どもたちが楽しく、安心して過ごせるよう工夫されています。

障がいの有無にかかわらず、インクルーシブな環境で小さな時から一緒に学んだり過ごしたりする経験は大事です。それは、様々な違いを超えてお互いの人権と尊厳を認め合って生きていく共生社会につながります。  (D.恭子)

7月はシャボン玉月間

水環境を守るために暮らしを見直そうと活動する漁協、農協、生協など全国50の協同組合で構成する「石けん運動ネットワーク」では、毎年7月をシャボン玉月間として、全国の自治体首長に石けん利用を通した環境活動に関するメッセージをいただいています。6月13日、私も木下議員に同行していただき、長友市長に寄稿をお願いしました。

それに先立ち、木下議員が市内の公共施設でどんな洗剤が使われているか調査したところ、約半数は人と環境に優しい天然由来の界面活性剤である石けんが使われており、「石けんを公共施設に!」という私たちの願いが伝わっているという印象を受けました。その結果を市長に伝え、幼児やアレルギー体質の方の中には合成界面活性剤の手洗い洗剤が人体に被害を与える場合があること、生活排水が東京湾に流れ込み海中の土壌に堆積し生態系に何らかの影響があることなどから、今の私たちにできる対策として、天然由来の石けん類の利用をさらにすすめていくことを提案しました。

市長は、これまでに市内の小学校でいくつかのアレルギ一問題がおき憂慮した経験があることから、石けん運動にも理解を示し今後も引き続き石けん類の利用促進に協力する意向を示してくださいました。期待したいと思います。

(生活クラブ生協組合員I.M.)

 

活動報告

4/7        PFAS汚染と都政を考えるつどい

4/19      調布市下布田遺跡史跡整備市民説明会

4/20      東部公民館講演会「女性視点の備えと避難所運営」

(五十嵐ゆかりさん)おしゃべりカフェ(議会報告)

4/29      調布・生活者ネットワーク生き物調査@野川

5/7        調布市議会京王閣競輪場見学会

5/8        東京自治研究センター主催まちづくりウォッチング

「東京の地域公共交通と再生エネルギーを考える」

5/9~10  調布市議会木島平交流訪問

5/12      調布市議会議会報告会

5/14      ソーシャルジャスティスzoom講座

「性的マイノリティ女性の生きづらさ」

5/15      香害をなくす議員の会

5/18      おしゃべりカフェ(グリーンホール建替え)

5/19      ちょうふ環境市民会議総会

5/21      東京・生活者ネットワーク地方自治法改正学習会

5/22      市内街宣

5/31      起立性調節障害映画鑑賞

6/3~19  第二回定例会開会・上程時質疑

6/7        一般質問

6/12      常任委員会

6/15      おしゃべりカフェ(女性の視点に立った防災)

6/24      調布飛行場問題等対策特別委員会・廃棄物減量及び再利用促進審議会傍聴・共同親権オンライン学習会

6/29      ポリカーボネートを使った断熱内窓DIYワークショップにて。ホームセンターで入手可能な部品で簡単に引き違いの内窓ができました。断熱効果も抜群とのこと。ブログで詳しく報告しています.

内窓断熱でエコ生活!電気代も節約して快適で健康的な生活を

 

*ご希望の方にPFAS出前講座を行っています。1~2時間。場所の確保はお願いしています。無料。

 

活動レポート145号 4ページ

人・まち・風

調布クリオナカウンセリング

代表 坂井未夢(サカイミム)

私は性的マイノリティ(LGBTQ+)特化型のカウンセリングをしています。もちろんALLY*の方の相談も受け付けております。当事者や当事者を持つ親、また親族の方のお悩みやお話を伺っております。

私も当事者であり、LGBTQ+の支援団体のメンバーでもあることから、私生活や会社などでの悩みを聞いたり、助言を求められる事もありました。相談も多かったので資格を取れば安心してもらいやすいのではないか、もっと皆さんの役に立てるのではないかと思い、心理カウンセラーの資格を得るに至りました。心理学は興味があったものの、ゼロからの勉強で苦労も沢山しました。最後には面白いと思うようになり、資格試験に合格し、傾聴する大切さも学びました。

資格を取得してからは、今まで当事者でも当人しか耳にしない用語、法律的なものなど知識のアップデートが必須です。聞いた中には、当事者の専門用語を理解していないカウンセラーも居て、現状を説明するだけで疲れる、滅入る、落ち込むといった意見もありました。その話を聞いて、当事者の私が当事者のカウンセリングを行う事でもっと話しやすく、多少の専門用語を使っても大丈夫なように気楽に相談できるよう努めております。そして少しでも心の負担が軽くなるようにしたく、日々勉強も欠かせません。相談者さんが笑顔で帰る様子を見ると、本当に資格を取って良かったです。これからも皆さんが幸せになれるお手伝いが出来たらと思います。

*「味方」「仲間」を意味する。LGBTQ+に共感し支援する人たちのこと。

 

8月おしゃべりカフェ

*テーマ:新学期前のモヤモヤを話そう~2学期のことを考えると気持ちが重くなる、そんな本音を話してみませんか?子どもも大人も大歓迎~

*日時:8月17日(土)14~16時

*場所:市民活動支援センターコミュニティルーム(旧国領駅北ふれあいの家)*参加費:無料

*主催:調布・生活者ネットワーク

*申込み・問合せ:042(487)3087(平日のみ)
waku2seikatusha@mpd.biglobe.ne.jp

 

  • 木下やすこの会計報告(2023.1.1~2023.12.31)

収入

議員報酬 9,603,000

年末調整 466,5916

利息 6

収入合計 10,069,597

 

支出

生活者ネットへの寄附 4,510,709

議員への生活引当金 2,800,000

議員の税金・社会保険料等 2,758,888

支出合計 10,069,597

 

*生活者ネットの議員は、契約に基づき、議員報酬を生活者ネットワークに寄付しています。寄付は、調査活動や市民への情報提供に活用されます。

  • 生活者ネットワークの政務活動費内訳(2023.6.1~2024.3.31)

調査研究費 628 (会派視察交通費)

研修費 33,500 (学習会・セミナー・フォーラム等参加費)

広報費 148,366 (市議会通信郵送料)

資料購入費 40,896 (図書・雑誌等購入費)

支出合計 223,390

交付額 250,000 (上半期10万円・下半期15万円)

残額 26,610

生活者ネットワークのルールに従い、議員報酬の使途を公開します

 

インフォメーション

2025年度市立小中学校特別支援学級と2025~28年度市立中学校の教科用採択に関する教育委員会臨時会

7月31日~8月2日9時半〜グリーンホール小ホールにて

 

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