通信149号発行しました

通信149号

2025年7月25日発行

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女性に支援を! ジェンダー平等社会の実現を!

なぜ今、女性を支援する法律なのか

2024年4月、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律 (以後、女性支援新法)が施行された。なぜ今、あらためて女性支援の法律が必要なのか。戦後長く、女性支援の根拠となる法律は売春防止法しかなかった。この法律は、売春を行う可能性がある女子の保護と更生を目的としていたが、現実には女性をめぐる課題は生活困窮や性暴力、性犯罪被害、家庭関係の破綻など複雑化してきている。そこで、女性の人権の尊重や福祉、被害からの回復といった視点に立った法律が求められていたのだ。

女性の多くの困難の要因は社会にある

数字で見る男女格差

ジェンダーギャップ指数 146カ国中118位
賃金格差 男性を100とすると女性は75.8
非正規の割合 女性53.2% 男性22.6%
単身高齢者の貧困率 女性約45% 男性約30%

なぜ困難を抱える女性を公的支援の対象とするのか。それは、女性が直面する多くの困難の要因が、この構造的差別社会にあるからだ。このことは、特にコロナ禍に明らかになった。2020年、男性の自殺者は減少したが、女性の自殺者は前年比15.3% 増の7062人。これは偶然ではなく、打撃を受けた産業に女性従事者が多かったことや、男性よりも不利な雇用条件下に置かれやすいこと、またステイホームの影響で家庭内不和や暴力が増加したことなどが関係していた。

こうしたジェンダー社会格差の中で、多くの女性が不条理な困難に直面しながら、声を上げることをあきらめてきた。そして、それは今も大きくは変わらない。市には、女性支援新法が求められた社会的背景について庁内で共通理解を図るよう求めた。

本人を中心とした連携体制を

厚生労働省が示す基本方針では、支援にかかわる機関や団体が対等な関係性のもと、女性本人を中心に連携・協働することが重要との考え方が示されている。そのため、市町村は支援調整会議の設置が努力義務となっているが、市は調査研究段階とのことだ。関係機関の連携・協働体制の中核を担う女性相談支援員の 門性や権限のあり方も重要であり、留意するよう求めた。また、女性支援新法の大きなポイントの一つは「本人中心主義」だ。支 援調整会議には支援を受ける女性本人も加わることができるべきである。また現在、調布市内には民間の女性支援団体がない。今後はそうした団体の立ち上げも積極的に支援することを求めた。

どんな支援内容が必要?

国が示す基本方針では、アウトリーチ等による早期の把握、居場所の提供、相談支援、一時保護、被害回復支援、生活支援や権利回復支援、同伴児童等への支援、自立支援、アフターケアといった支援内容を基本計画に盛り込むことが望ましいとされている。

市はこれまでにもさまざまな形で女性支援は行ってきているが、支援が行き届きにくい人や声を上げられない人もいたとの課題認識を示した。その要因の一つには、男女共同参画推進センターの女性相談窓口の認知度が低いこともあるだろうが、女性自身が問題を自己責任として相談しない傾向も関係していると思われる。

市の「男女共同参画に関する意識調査報告書」によると、家庭内で暴力を受けたことがある女性のうち5割を超える女性が「相談しなかった」と回答している。その理由で最も多いのは、「相談するほどのことではないと思った」で4割強、次いで「自分にも悪いところがあると思った」が34.9%となっている。自己責任としがちな女性が必要な支援につながるには、窓口設置だけでは不十分で、アウトリーチや同行支援が必要だ。

中でも若年女性にとって行政は非常に遠い存在だと言われており、アウトリーチ型支援やSNSの活用が不可欠だ。市は、7月から子ども・若者と家族が24時間365日、チャットで相談できる事業を開始することになっており、女性支援としての効果も期待される。

基本計画は当事者の声を反映させて

市は、女性支援新法にもとづく基本計画を、2026年度に策定作業を進める第5次男女共同参画推進プランに包含する予定だ。より実効性のある基本計画となるよう、これまでのさまざまな相談内容を通した実態把握や課題検証、民間支援団体へのヒアリングを求めた。策定過程ではパブリックコメントも実施されるので、多くの市民の意見を届けることが必要だ。

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第二回定例会

調布市稅賦課徴収条例の一部を 改正する条例に賛成

▶大学生年代の子など (19歳以上23歳未満)に関する特定親族特別控除を追加

特定扶養控除の対象となる大学生年代の子などの所得要件が103万円から150万円に引き上げられる。さらに、子の年収が123万円を超えた場合は「特定親族特別控除」(新設) が適用され、188万円までは段階的に控除が受けられる(最高45万円まで)。施行は2026年1月1日から。

▶市たばこ税

加熱式たばこの課税を紙巻たばこの課税と同程度に引き上げる。

調布市市民農園条例の一部を 改正する条例に賛成

菊野台市民農園の廃止。これにより、市民農園の総数は13 園、計544区画となる。菊野台市民農園の契約者79名中27名は、4月から他の市民農園に移動済み。49名は継続利用を申請しなかったとのこと。市民農園は非常に人気があり、 特に京王線沿線以南の市民農園は倍率が3倍ほどで補欠待ちの人も多い。現在の契約期間は3年間のみだが、2000年に 実施したアンケートをもとに設定しているとのことである。改めてニーズを把握し、より多くの人が利用できるよう、1年、2年契約 なども選択肢として設けることを検討するよう要望した。

陳情

インボイス制度の廃止を求める意見書 の提出を求める陳情が提出された。会派では採択する予定で備えていたが、審査した総務委員会で態度が趣旨採択、採択、不採択に分かれ、いずれも過半数 に満たなかったため、審議未了となり廃案となった。

陳情審査で態度が3つに分かれた場合には、あらためて採択と不採択に選択肢を絞り、最後まで結論を出す議会もある。 市民から寄せられた陳情が廃案となる可能性がある今の審査のあり方は改善するべきだと考えている。引き続き議会改革の中で提案していきたい。

その他、監査委員選任の承認や議員提出議案5件の審査などを行った。

議会運営

予算・決算議会最終日の本会議場での討論の時間について、議会運営委員会で議論が行われた。これまでは時間制限がなかったが、上程時質疑と同様、基礎時間5分に一人当たり2分を加算し、会派の人数によって差を設ける案が議会運営委員会の正副委員長から提案された。

議員は議場で表明する態度に関して市民への説明責任を負う。また、会派の人数にかかわらず予算・決算の審査対象のボリュームは同じである。そのため、時間制限を設けることにも、会派の人数によって制限時間を変えることにも反対した。 6人の委員のうち2人が反対したため、折衷案の可能性も 含め、議論を継続することを提案したが、議論の俎上に上げ れることなく、多数決で正副委員長案に決定した。持ち時間は、最大会派(8人)が19分、2人会派は7分、一人会派は基礎時間のみの5分となる。

木下が調べた都内の18議会のうち、12議会は時間制限を設けていなかった。全会派共通の制限時間を設けているところが2議会、残りの4議会は会派の人数によって差を設けてい た。議会基本条例をもつ調布市議会としては、議会運営についても条例の理念にもとづいた議論をするべきだ。

 

お知らせ

新会派を結成しました

5月7日付で鈴木ほの香議員と会派を組みました。 新しい会派名は「れいわネット・にじいろの会」です。 「多様性が認められる社会を」との思いを込めました。 木下が幹事長を務めます。

2人になったことで「交渉会派」となり、議会運営委員会での議決権を得ました。より開かれた議会、民主的な議論のプロセスを踏み、市民の皆さまに説明 責任を果たす議会を目指して活動してまいります。

 

任期後半に入りました

今定例会から任期の後半2年に入り、正副議長をはじめ、役員構成が新しくなりました。木下は、文教委員会(所管は生活文化スポーツ部および教育委員会)、広域交通問題等対策特別委員会(外環道関連)、および市民のための議会報告会実行委員会に所属します。

皆さまからのお声は所属委員会に関係なく伺ってまいりますので、ブログのお問い合わせ欄やメール、お電話等でご連絡ください。

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いま求められる施設「すとっく」

調布市知的障害者援護施設ワークライフカレッジ 「すとっく」が昨年4月に開所されました。それからほぼ1年が経った4月25日、施設の取り組みについてお話を伺いました。

「すとっく」は、主に知的障害のある18歳以上で市の受給者証を持つ方が対象の施設です。市からの委託を受けて調布市社会福祉事業団が運営しています。

一人ひとりのペースに寄り添った支援をするため、
・生活訓練(2年間): まずは生活リズムを整えることから始め、利用者が自分の「やりたいこと」を見つけ、新たな挑戦をするための期間。
・就労移行支援(2年間):軽作業などを通じて実践的な職業スキルを学び、具体的な就労を目指す期間。 これらのプログラムを通じて最長4年間の学びの機会を提供し、利用者の自立をサポートします。さらに、就労後も3年間をめどに丁寧な支援を行っています。

これまで、なかなか就労できないとか、家にこもってし まうとか、社会に出ても生きづらさを抱えてきた若者たちにとって、安心して過ごせる居場所になり学び直しができる施設は重要です。

見学を終えて、知的障害だけでなく様々な理由で生きづらさを抱え社会に出られない若者が増えている昨今、こうした施設がもっと必要だと感じ ました。

(S.Y)

 

調布の里山歩き報告

調布市に里山があることをご存じですか?
新緑が目に鮮やかな5月の日曜日、6名の参加で深大寺・佐須 地域を巡る里山歩きを実施しました。

深大寺・佐須地域南農業公園

★今回のハイライトは、2024年7月に本格オープンした、柏野小学校の斜め裏手にある深大寺・佐須地域南農業公園でした。 地域のつながり作りを目的に活動するグッドコモンズが運営を委託されており、この日は親子連れや大人たちがオクラや里芋の植え付けなどの農作業をしていました。ここで収穫した野菜は、子ども食堂や、公園内のかまどベンチを使ったピザつくりなどのイベントで活用されているそうです。広場でレールを組み立ててミニカーで 虫を捕まえたりする子どもたちや、おしゃべりを楽しむ大人たちの姿も見られ、農業体験だけでなく、気軽に立ち寄って子どもも大人も楽しめる場になっていました。

その後は、この日生ごみコンポストの講習会が開かれていた深大寺自然広場近くの民間の農業イベントスペース、カニ山の上の北農業公園、そして湧き水の佐須用水が流れる農地などを巡 りました。

里山の景観を残していくためには

調布の里山は、野菜や多様な生き物を育むだけではなく、人との触れ 合いが生まれ、自然が心を元気にし てくれる大事な場所だと改めて知る機会になりました。この貴重な里山を 深大寺佐須地域南農業公園 未来の子どもたちに手渡すためには、私たち市民や行政、そして農家の方々が手を取り合って、この里山を守っていくことが大切だ と心から感じた一日でした。(D.K)

 

活動報告

市議会

4/10 議員研修「議員のコンプライアンスについて」 5/15 災害時安否状況等確認訓練および被害状況の報告訓練

5/10 木島平村・調布市盟約40周年姉妹都市交流

5/15 災害時安否状況等確認訓練および被害状況の報告訓練 (オンライン会議)

5/17 第20回議会報告会

5/30~6/18 第二回定例会

 

議員活動

4/7 三小入学式・4/8 八中入学式

4/12・5/18 おしゃべりカフェ (議会報告・深大寺佐須の里山あるき)

4/13 映画『ノルマル17歳。わたしたちはADHD』鑑賞
(市川房枝記念会女性と政治センターにて)

4/23 介護支援専門員調布連絡協議会主催研修会「次世代の ケアマネジメントとケアマネジャーのあり方」 (高室成幸氏)

4/25 調布ネットワークライフカレッジすとっく・ デイセンターまなびや国領視察

4/26 調布中避難所開設訓練に参加

5/14 第5回教育委員会定例会傍聴・ 調布駅前トイレ内覧

5/17 総合水防訓練

6/8 調布市歯科医師会主催「歯と健康のつどい」

6/15 たづくりまつり『ゆめパのじかん』鑑賞

6/16 子ども子育て会議傍聴

6/17第6回教育委員会定例会傍聴 数名の議員仲間と議会基本条例や規則などについての勉強会を継続しています。

 

鑑賞した映画より~

▶『ノルマル17歳。わたしたちはADHD』

ADHDの特性のある女子高校生2人を描いた映画です。家族との衝突や友人の冷たい態度に傷つきながら、自分の存在を肯定的に捉えようと励まし合い、自立を目指します。見た目では分からないADHDの特性が「障がい」となる要因が周囲の環境にあることに気づかされます。

▶『ゆめパのじかん』

日本で初めて子どもの権利条例をつくった川崎市にある夢パーク の子どもたちを描いた映画です。学校に行かなくなった子どもたちが 生き生きと過ごす姿や、自分の言葉で語る学校への思いが印象的でした。

 

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人・まち・風

全国に拡がっている協同労働という働き方

“ワーカーズ・コレクティブ”という言葉をご存じでしょうか。これは「働く人の協同組合」と いう意味です。

そもそも「協同組合」とは、自主運営、自主管理を基本とし、共通の経済的、社会的、文 的ニーズと願いをかなえる目的を有する人びと(組合員)の事業組織です。組合員の「出資・ 利用・運営」が事業の基本であり、大勢の組合員で行う事業は、組合員が共同で所有し、民主的に運営管理することが求められます。

その「協同組合原則」を基盤に、参加と責任を応分に担う働き方が「ワーカーズ・コレクテ ィブ」です。“こんな社会だったらいいね!”をめざし、相互扶助の精神をベースにした地域づくり、家事・子育て・介護などの様々なサービスや仕組みをうみだします。地域に多様な働き方や働く場をつくり、違いを認めあって働く組織です。

職種は家事援助・保育・ 住宅関連・食品製造・販売・移動サービスなどさまざまで、 皆さんの身近なところで働いています。また、働くメンバーを支える福利厚生として、各種保険や共済などの仕組みも整えられています。

私たち「生活クラブデポー国領駅前」のフロワーワーカーズもそのひとつです。生活クラブ から委託を受けて、生産者と組合員が思いを込めて作り上げた消費材(製品)を、ひとりでも 多く地域の人に知ってもらい、利用し続ける組合員になってもらうこと、また、デポーを拠点とする地域の組合員活動を支えることを目指します。生活クラブ東京の10デポーそれぞれにワ ーカーズ・コレクティブが形成され、200人以上のメンバーが働いています。

支えあって生きる社会を作るために、地域を構成する誰もが参加できる働く場です。 興味のある方は、是非ともお問合せください。

生活クラブ生協デポー国領駅前 ワーカーズ 『Rainbow』 代表 新妻隆子

 

8月おしゃべりカフェ

*テーマ:子育ての悩みについてお話ししましょう♪

*日時:8月16日(土) 14時15分~16時

*場所:市民プラザあくろす 会議室1(2F)

*参加費:無料

*申込み〆切:8月14日(木)

*主催:調布・生活者ネットワーク

*申込み・問合せ
電話 042-487-3087 (平日のみ)

waku2seikatusha@mpd.biglobe.ne.jp

オンライン申し込み

インフォメーション

第3回定例会は9月4日(木)に開会します。 陳情書の提出締切は8月28日(木)ですので、提出を検討される方は早めにご相談ください。

木下やすことたんぽぽ会議

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